【足の臭いシンデレラ】7人のショートショート

 

最近どうでもいいことを考えるのが好きで、

ふと「シンデレラの足が臭かったらどうなるんだろう?」

と思ったのでツイッターで募集して、7人に【足の臭いシンデレラ】というテーマで500~1000文字程度の記事を書いてもらいました。

先入観を持たないように、作者はショートショートの最後にツイッターアカウントを載せているだけです。
「あ、この人面白いな〜」って思ったらシェアしてあげてね!

ではどうぞ

足の臭いシンデレラ その1

私はシンデレラ。

そう呼ばれていたのは、もうずっと昔の話。
今ではウニの密漁で日々を食いつないでる。

罪悪感は、ある。

でも、王子との日々の暮らしのためにはそれも厭わない。二人の間にあるのは、そう、愛。

世間は、ガラスの靴がピッタリになった私達を認めなかった。

王子と私は王族を追放され、とんでもない田舎に飛ばされた。

召使いと王子の結婚は認められない……。でも、そんなひどい悪習何かに、私達は負けない。

二人で幸せに暮らしていくために、私は罪悪感に押しつぶされそうになりながらも、密漁を続けていた。

ある日の夕食終わり、食後の珈琲を飲み干した王子が顔をしかめて呟くように言った。

「もう耐えられない……。足を洗ってくれ」

「えっ?」

王子は最近、いつも顔をしかめていた。密漁の事、王子には内緒だったのに、気付かれていたみたい。

「凄く辛いんだ……。足を洗ってくれるね?」

「それは……その、ごめんなさい。本当に、ごめんなさい!」

軽蔑、されてしまったのかもしれない。
もしそうなら、私は生きていけない。

でも、王子から出てきた言葉は、凄く優しいものだった。

「いいんだ。その、僕ももっと早く言うべきだったよ」

王子は、絞り出すように言った。

「悪習に、耐えられない」

そう。全ては悪習のせい。こんな所に追いやられて、貧しい暮らし。

でもね、それでも私の事を、いつも考えてくれている王子。本当に大好き。

私は決意して言った。

「私、足を洗うわ!」

本当かい!? と、王子の顔が輝いた。

こんな笑顔は久しぶりに見た。本当に心配させてしまっていたみたい。反省しないと。王子に胸を張れる私でいたい。

翌日、密漁をきっぱり辞めて、誇らしい足取りで帰路につき、堂々とした思いでドアを開けた。

「王子、私、キレイに足を洗ってきたわ!!」

王子は、笑顔でで迎えてくれたものの、すぐに盛大に顔をしかめて言った。

 

「……………それで??」

 

作:@hitodeblog

 

足の臭いシンデレラ その2

『一体彼女はどこに行ってしまったんだ』

王子は先日行われた舞踏会で出会った女性に心を奪われてしまった。

 

『どうやったら、、、また彼女に会えるんだろう』

王子の心の中はそのことでいっぱいだった。何とかして舞踏会で出会った女性に会いたいと思い、従者を集め緊急会議を開いた。

 

緊急会議【どうやったらあの時踊った女性に出会えるか?】

王子「それでは思いついた人から発言してくれ。いい案を出してくれた人にはボーナスも検討する」

従者の指揮は一気に上がり、様々なアイディアが飛び出した。

従者A「当日参加者のリストを確認すればわかるのではないでしょうか?」
王子「ダメだ、参加者は1000人を超えているし、当日の飛び込み参加もいる」

従者B「他の有名な貴族の方々にお伺いすれば、誰かわかるのでは?」
王子「不思議なことに、皆が初めて見たと言っていたのだ。名家の出の女性ではないらしい」

なかなかいいアイディアが出てこないなか、一人が気まずそうに手を挙げた。

従者C「実は、、、彼女の落し物がここにあるのですが」
王子「なにー!!それを早く言ってくれよ!」

「それがこちらです」と言ってビニール袋に入った靴を取り出した。

その瞬間、、、
納豆ような、酢のような、なんとも言えない匂いが部屋中に充満した。

王子「な、なんだことの匂いは!!!」

従者C「彼女が落とした靴、、、すごい匂いで、、、でも匂いも一応手がかりかと思って、、、これを使えば見つかるんじゃないですかねぇ?」

王子「そ、そうかもしれないな、、、でもさすがに臭すぎる、、、一度洗っておいてくれないか?」

指示された従者は、すぐに靴を洗ったのだがどうしても靴の匂いが落ちきらなかった。

後日、従者Cが匂いの残った靴を王子の部屋に持ってきて「えーこの靴はどうしましょうか?」と聞くと、王子は少し悩んだ末にこう答えた。

「うーん、、、捨てといて!!」

王子が「あの子を探そう」と言い出すことは2度となかった。

その後、王子は隣の国の足の臭くない王女と結婚し、普通に幸せに暮らした。

 

作:@syuty

 

足の臭いシンデレラ その3

(そういえば、シンデレラより先にガラスの靴を履こうとした2人。全然足のサイズが合ってなかったな…。

ただ足のサイズなんかより、あの顔、にじみ出る彼女らの性格の悪さ…ホンットーに気に食わなかった!
彼女らの足がバカみたいにでかくて本当によかった。

ただなあ…無事、ガラスの靴と足がぴったりだったシンデレラ。
王子はまだ知らないんだよなあ…あの、とてつもなく、すっぱい、足のこと。大丈夫か、王子。あの子のこと、愛せるのか?

私、ただの従者だし、王子と親しく話せる仲じゃないけど、いや、ホント、マジで大丈夫?

顔もめちゃくちゃ美人だし、性格も良さそう。第一、周りにいる人みーんな笑顔になっちゃうんだから、すごい人だと思う。でもさ、やっぱり足、すっぱ過ぎない?

彼女にガラスの靴を履かせる担当だったからさ、知ってるけど、彼女の足に触れたことのある私だから言えるけど、まじですっぱいよ?!
ちょっと気ィ失いかけたもん!!ていうか、あの時一緒にいた従者、シンデレラに靴を履かせた翌日に「足、臭すぎて目が覚めたわ。この職業割に合わねえ」っつって退職してるんだけど、王子、知ってるかな…。

ま、私が結婚する相手じゃないから、足の臭さなんて、別にどうでもいいんだけどさ… )

皇太子、ご結婚おめでとうございます。どうぞお幸せに。

 

作:@Kho_TOKYO

 

足の臭いシンデレラ その4

ここは魔法の国。
ビビデバビデブーの一言で、カボチャは馬車になり、ネズミは馬になる。ぼろぼろのワンピースは煌びやかなドレスになる。
貧しい娘はガラスの靴がぴったりはまり、王子様としあわせになる世界。

貧しい娘の名はシンデレラ。心が綺麗で美しい顔をしている。父が死んでしまい、継母と義理姉2人にいじめられながら静かに暮らしていた。
ある日魔法使いが現れ、舞踏会で王子様に出会い、帰り道にガラスの靴を落とした。もうすぐ王子様はシンデレラを探しにくる。

シンデレラにはひとつ悩みがある。足がどう考えても臭いのだ。父の遺伝だった。
そのせいで友達も彼氏もいなかった。継母や義理姉たちからも邪険にされた。そんな足の臭い自分がずっと嫌いだった。
だけど今回の王子様との結婚だけはどうしても掴みたい。しあわせになりたい。

シンデレラはできる限りのことをした。
毎日ゴシゴシ洗ったし、靴下も頻繁に変えたし、消臭スプレーもした。だけど全く改善しない。
そうこうしているうちに、王子様が家に尋ねてきた。
シンデレラは終わった、、、と思った。

だけどここは魔法の国。
無事シンデレラは王子様と結ばれた。
魔法使いはなにもしていない。
王子様は匂いフェチだった。シンデレラの見た目の美しさではなく、ガラスの靴に残された香りをたよりに彼女を探し出したのだ。
シンデレラは衝撃だった。自分の欠点だと思っていたところに王子は惹かれたらしい。
世界にはいろんな人がいるものだ。
そして欠点さえ、武器になり得るのだと。

シンデレラは王子様に出会って初めて、足の臭い自分をまるごと好きになれた。やっとありのままの自分を許すことができた。

そして2人はいつまでもいつまでもしあわせに暮らした。

 

作:@onikamoyo

 

足の臭いシンデレラ その5

「くっさ〜!!!」

男は大げさに顔をしかめて、横を向いた。
女がふざけて脱いだ靴下のにおいをかがせたからだ。

楽しかったデートの帰り、良い雰囲気で帰宅したのに、幸せ慣れしていない女はなんだか恥ずかしくて、照れ隠しで小学生みたいなふざけ方をしてしまった。

思った以上に臭かったようで、男は窓を開けて深呼吸をしている。

「いい加減、地球に慣れろよ」

「ごめんって。まだ火星の不幸癖が抜けないんだよ。」

「もう半年経つんだから、幸せに慣れてくれよ」

「だって火星では不幸なことが良いこととされるんだもん!しょうがないじゃん!」

「っ…わかるけどさぁ…!」

男は歯がゆそうに唇を噛んだ。

 

さっきまで鼻の先にアイスクリームをつけて照れくさそうに笑っていた女も、今は悲しそうにうつむいている。

「わたしたち、やっぱりだめなのかな?」

「……。」

「火星と地球じゃ、常識も価値観も違いすぎるよ。これじゃ新太と一緒になりたくて地球語を徹夜で勉強した意味ない。」

信子は宇宙旅行中に地球に不時着してから半年間、不慣れな日本で東京語をマスターして、職も見つけ、日常会話を完璧にしていた。
しかし、微妙なニュアンスの違いを理解するため、仕事が終わってからも毎日火星から流れる深夜ラジオを聴きながら勉強していた。

 

「じゃあ、別れるんかよ。」

「うん。」

「そうやっていつまでも不幸にひたって、また火星に帰るんかよ?!」

「しょうがないって言ってるじゃん!!不幸に慣れちゃってるんだもん!火星のお父さんとお母さんもわたしがいなくなって、不幸でめちゃくちゃ喜んでるんだから!!」

「じゃあずっと地球にいろよ!」

「え?」

「大切なご両親が信子がいなくて悲しくて喜んでるなら、ずっと地球にいろよ!」

「どういうこと?」

新太がガラスの机の上にあった箱をおもむろに手に取った。

「結婚しよう。」

 

パカッ。そこにはきらきら光るダイヤモンドの指輪が輝いていた。

「え?ハリーウィンストン!?」

「信子、日本の慣習に合わせて謙虚なふりして庶民派ぶってるけど、本当は価値の高いものが好きだから、喜ぶかなって思って。」

「足臭いのも庶民派っぽいでしょ?」

「それは気づかなかったよ。火星のお姫様なんだから、ケチケチしないで、ちゃんと足用と靴用の消臭スプレーを今度買おう。」

「愛してるよ、新太。」

「俺のほうが愛してるよ、信子。」

「銀河一幸せになろうね。」

「もちろん。」

 

作:@10hpy21

 

足の臭いシンデレラ その6

ぼくが今付き合っている彼女は、本当にかわいくて、きれいで、まるでシンデレラのようだ。

そんな彼女と付き合えていること自体、すごく幸せなことだし、性格も他人のことを考えながら行動してくれる、すごくいい子だ。正直、この子以外と付き合うなんてことは全くもって想像できない。完璧な人間だ。

ただ一点を除いて。

ぼくのシンデレラは、とても足が臭い。

なぜかはわからないが、すごく臭いのだ。臭さの種類も「どうしたらそうなる?」と言いたくなる質の悪さだ。

どんな臭いかって?生卵が腐った臭いとかお父さんの靴下の臭い、みたいなものだったらまだよかったと思う。

彼女の足の臭いは「男性器が絶頂を迎えたときに噴出されるそれ」と酷似している、というか他に代わるものなんてないだろう。彼女の足は精子の臭いがする。

さらに不可解なことに、彼女はそれについて全く気にする素振りがない。耐えかねて僕が臭いについて訪ねても「そうかなあ」という一言で濁されてしまう。

それ以外の要素は完璧なのに…僕は悩みに悩んだ結果、行動に移すことにした。彼女を尾行することにしたのだ。

僕も彼女も大学生で、彼女は月、火、水の午後13時から5時間ほど、決まって「勉強をするから」と予定をブロックしていた。

なにか怪しいことをしていたらその時間しかない。僕は月曜日に大学から移動する彼女を尾行した。

たどり着いた先で、彼女の足がイカ臭い理由がわかった。

そこの看板には「ドM限定!足コキカフェ」と書かれていた。

シンデレラの魔法が、解けた。

 

作:@ggrks927 

 

足の臭いシンデレラ その7

 

「ブロガー界のシンデレラ」

みんな私のことをそう呼ぶわ。

26歳の私がフリーランスになって1年。
私は自由になった。
ふふ、死ぬほど嫌だったOL時代が懐かしいわ…私は生まれ変わったの。

古臭いルール。面倒な印鑑。
無駄な会社の飲み会ともオサラバ。無能呼ばわりする同僚や上司。
嫌いなことは私の周りから全てなくなって好きなものだけに囲まれるの。
ちょっと盛りすぎたかな?って思うプロフ画像も、今ではホイホイ男たちが寄ってくる…フリーランス、ブログ女子は8割り増しでモテるのよ。
本当よ?

私のスタイルは
「スタイリッシュで好きなものに囲まれるグローバル系女子」
ツイッターでは意識高い系のブロガーやフリーランサーのツイートをちょっと私風にアレンジするだけでみるみるフォロワーが急増!

自由!とか会社員オワコン!とか…飲み会マジ無理!って言ってれば、フォロワー増やせる簡単なお仕事。
それだけで有名ブロガーも寄ってくるし、楽勝よ♪
ふふ、普段会社勤めで夢を叶えようと頑張る美人には寄り付かないくせにね。

ふふ、男なんてみんな自己顕示欲のカタマリ…わたしも…かな?なんて…

そんな私、洋風女子はオシャレなテーブルしか囲まない、お座敷には上がらないし、ホイホイ男の家にも上がらない。
12時には終電で帰るの。

だから”シンデレラ"って…そう呼ばれてるの。

これが私。
フリーランス最高!ウェイウェイ!

ウェイ…

フリー…ランス…(ホロリ…

ウソ、違うの。
本当の私はそうじゃないの。

足が臭いの。

臭いのよ。

私は足がべらぼうに臭いの。

座敷にあがらないんじゃないの。

上がれないのよ…!

男の家にあがらないんじゃないの…上がれないの…

会社の飲み会で座敷に上がるのが辛かったの…

私は逃げ出した。

そしてそっと過去の自分に蓋をして、木箱の中に鍵をかけて閉じ込めたの。

フリーランスになったんじゃない…

臭いものに蓋をしただけ…

本当に…わたしって…おバカさん…

本当の自由って何?

わからない。

でも今日も私は、周りのブロガーたちと会社員をバカにして”フリーランス”という言葉を振りかざすの。

なんて哀れなシンデレラ…

fin.

 

作:@goofam_fam


一人だけクズがいますが、毎日一万円を借りる動画をあげている人なので許してやってください。

 

また次のテーマでみんなでショートショートを書いてみたいと思います!
「こんなお題どう?」というのがあれば提案してください〜

 

では!

足洗えよ!

ABOUTこの記事をかいた人

タロウ

1990年3月9日神戸生まれ。 webが好きです、でもラーメンはもっと好きです。SEOには自信があります。最近太ってきたせいで着る服がありませんが、太ってきたのであったかいです。 Twitter(@syuty)・Facebookから友達申請よろ!