皆さん「お金の勉強」してますか?
僕自身は「少しづつでも資産運用やってくかぁ〜」と先月から資産運用サービスロボットアドバイザーを利用し始めたのですが、
ぶっちゃけ資産運用とか何からしていいかわからないんですよね。
とりあえずウェルスナビとワンタップバイはやってみたのですが、いかんせんマネーリテラシーが低すぎる。これではいかんと思ったので、実際にお金のプロ。ファイナンシャルプランナーの斎藤さんに「初心者向けの資産運用」についてお話を伺ってみました。

そもそもファイナンシャルプランナーとは

ファイナンシャルプランナーってどんな資格なんですか?

和訳するとお金の計画をする人という意味です。資格自体はかなり分野が広くて、大きく分けると6つ。
ファイナンシャルプランナーのお金に関する6分野
- ライフプランニングと資金計画
- リスク管理(保険)
- 資産運用
- 税金(タックスプランニング)
- 不動産
- 相続・事業承継

ファイナンシャルプランナーにもそれぞれ得意分野があって、僕の場合は税理士法人で働いてるので税金関係や年金を専門にしていますが、資産運用に関しても自分でもやってます。
金融関係は毎年制度が変わるので自分でやってみながら、どういう制度があるのかを勉強するという感じですね。
資産運用は何から始めたらいい?

資産運用は何から始めたらいいと思いますか?僕自身何から始めればいいか全くわからなかったので、もう専門家に聞こうかなと思いまして。

入り口は色々あると思うんですが、資産運用=お金を増やすということだけではないと思うんです。

どういうことですか?

極論、貯金も一つの資産運用だと思うんです。今は金利も低いですが、昔は年利3%とかありましたし、そういったことを考えればリスクの少ない資産運用の一つと言えますよね。
例えば、老後に必要なお金が欲しいと思ったら、ある人は確定拠出年金(ideco)というものを利用するかもしれませんが、ある人は定期預金でお金を積み立てるかもしれません。これはどちらかが正解というわけではなく、どちらの選択も正しいと言えます。

貯金してるだけでもいいってことですか?

そうですね。
日本人はとてもリスクを嫌いますので、リスクを取らずに貯金をする人は多いと思います。リスクだけで言えばやっぱり銀行貯金が一番リスクが少ないと思いますよ。リスクなくお金を管理するのも立派な資産運用です。
一番リスクが少ないのは銀行預金。
銀行預金も立派な資産運用の一つだと考えるべし
初心者にオススメの資産運用方法 [NISA]と[ideco]

貯金も一つの正解だというのはわかったのですが、やっぱり貯金ばかりではお金が増えないと思うんです。

そうですね。リスクが少ない代わりにリターンも小さいです。

『投資初心者が資産運用を始める』に当たってオススメの投資方法はありますか?

そうですね、、、
今いろいろな制度が国で新しくできているんですね。「NISA(ニーサ)」と「ideco(イデコ)」という制度があります。

あ、聞いたことはあります。

簡単にいうと
「NISA」・・・NISA口座に入金した年間120万円までは、儲かっても非課税になる。というもの
「ideco」・・・年金制度に近くて60歳まで月々同じ額を預けて、老後にもらうことができる。という制度があります。
まずはNISAから詳しく説明しますね。
NISAとは?

NISAと言うのは、「NISA口座」と呼ばれます。それ自体が投資方法ではなく口座だと思ってください。

その口座を持っていると、儲かっても税金がかからないんですか?

はい。日本語でいうと小額非課税制度というものなんですが、年間120万円までは運用して、いくら利益が出ても税金は取られないってものなんです。
ですので例えば100万円を運用して105万円になった、つまり5万円の運用益が出た場合。通常なら5万円に20%課税されるんですが、NISAならそれがないんですね。儲かった金額がそのままもらえるんです。

口座の中にあるお金が120万円までってことですか?

いえ、投資金額が120万円までということです。ですので120万円が運用して150万円になってもNISA口座内にあるので非課税ってことですね。

なるほど、でも増えた分を翌年運用すると税金がかかるってことですか?

いえ、まずNISAというものは5年単位で見るんですが、1年目に120万円投資したとして、それを5年間NISAの口座で持っていれば増えた分もずっと非課税です。


へー!
5年ぐらいだったらそこまで長期でもないので計画も立てやすそうですね。

はい。NISA自体は2014年にできた制度で、2023年まではこの制度が続きます。
5年になっているので、2018年に始めたとして5年後2022年ですよね?でもまだ2022年は続いているのでロールオーバー(繰越すること)と言ってそこからさらに5年続けることができるんです。翌年2023年からさらに5年で2027年までできるんです。

あれ?制度自体が2023年までじゃないんですか?
しかも、2018年から運用を始めたら5年後って2023年なのでは?

2018年から始めたら、当年、年を跨ぐまでが1年なので2018年も1年と換算して、
18年・19年・20年・21年・22年 と言う具合に、5年後は22年と言うことです。
2023年までに始められれば、運用の5年がスタートするので2027年まで運用可能ですね。


なるほど。1年間ではなく、年が変わったら1年ということですね。

そうです。そして気をつけないといけないのは、今の制度だと2023年まで続く制度ですので、仮に2024年から新たな投資をしてもそれは非課税にならないということです。つまり2019年から始めた場合はもったいないことになってしまいますね。

じゃあ非課税なうちになるべく早く始めた方が良いということですか?

そうですね。現状の制度だとそうなります。
ただ、これは僕の個人的推測なのですが、おそらくNISAの制度は少し変わると思います。

どのように変わるんでしょうか?

はい。NISA自体日本発祥のものではなく、もともとイギリスにあったISA(アイサ)という制度を真似したものなんです。
日本のNISAと言うのはイギリスのISAに日本のNを足して「NISA」。
イギリスではISAが恒久的(ずっと使える)な制度になったので、日本もいずれ、期限が撤廃されて恒久的な制度になるんじゃないかと思います。

なるほど、真似しているんですからその可能性はありますよね。

最初は期限を決めていますけど、期限が近くなってきたら延長して延長して、結局ずっと使えるようになるんじゃないかなって思いますね。あくまで予想ですけど。

ふむふむ
NISAを開設するならどこがおすすめ?

NISAを開設する銀行?金融機関?でオススメの場所はありますか?

そうですね。開設した時にいろんな特典があったりする証券会社もいっぱいあると思うんですけど、それは顧客を得るための会社側の手段なのであんまり開設する場所を気にする必要はないと思います。
運用自体はその人次第ですので。ただ、証券会社によって扱ってる商品(投資信託の銘柄)が若干違います。自分が投資したいものが決まってるのであればそれを扱ってる証券会社を選ぶのが1番いいですね。

じゃあ、簡単に開設できる、すでに使っている銀行がオススメですか?

基本有名なものだったらどこでもあるとは思います。強いて言うとネット銀行系は強いと思います。店舗がない分金利もいいですからね。僕自身は楽天の口座を利用しています。
基本的にはどこでもあまり変わらないが、ネットバンクの方が金利もよく使い勝手が良いのでおすすめ!
ファイナンシャルプランナーの斎藤さんは楽天のNISA口座を利用している。
NISAを開設したあとは?

NISAというのはあくまで口座ですよね?それを銀行で開設すると銀行で提供されてるものしかできないんですか?

いえ、銀行だったり証券会社で作れるんですが、NISAを作って何に投資するかは自分次第です。

ということは、ウェルスナビもNISAの制度を利用できるんですか?

うーん。どうでしょう、、、サービスページに掲載されていると思います。確認してみましょう
(実際にウェルスナビを確認してみる)

あ、NISA適用されないみたいですね。

なるほど、、、
じゃあウェルスナビは儲かったら税金がかかるんですね。

そうみたいですね。
まあ、、、儲かったら前提なので、「儲かるならいいか」とも考えられますが、
仮に100万円が101万ならともかく、120万に増えてしまったら勿体無いと思いますね。さすがに運用利率が20%になることはないと思いますけど。まずは簡単に始めてみてもいいかなと思います。

なるほど、うーん。
金額が大きい人は確かに勿体無いですね。
年間100万近く資産運用していくなら、NISA口座を開設した方が良い。
ただ、金額が小さいのであれば簡単にできる資産運用から初めてもOK
積み立てNISAについて

NISAには積み立てNISAというものもあります。

通常の NISAと何が違うんでしょうか?

はい。まず年間の限度額が違います。NISAは年間120万・積み立てNISAは年間40万
月にすると3万円くらいまでなら積み立てニーサで全部非課税になる計算ですね。

でも、余裕がある人なら通常のNISAがいいような気がしますね。
その分何かメリットがあるんでしょうか?

積み立てNISAは期間が長く持てるんです。普通のニーサは5年ですが、積み立てニーサは20年なので、年間40万円までなら積み立てニーサを選ぶ方が多いんですよね。ちなみに選べる金融商品はNISAはなんでも大丈夫ですが、積み立てNISAは基本的に投資信託になります。

idecoについて

「NISA」の他にもう1つおすすめなのが「ideco」。idecoは個人拠出型年金と言い、毎月定額で自分で決めた金額をある程度決められた投資信託に投資するものです。年金とついているので、最低で60歳までは解約できなくて60歳を超えたら任意タイミングで溜まったお金を受け取ることが可能です。

60歳まで脱退できないんですか?

そうですね。idecoは途中でやめられないんです。

え、じゃあ55歳ぐらいで急にお金が必要になったらどうしたらいいんですか?

、、、引き出せません。
今国民年金とかで引かれてる事と同じイメージで、idecoは完全に余裕資金でやるしかないですね。

うーんそれは結構怖いですね。
完全に老後のために割り切れるならいいんでしょうけど。途中でお金が必要になったら、月々の掛け金で逆に苦しめられそう、、、

そうかもしれませんね。。。
idecoというのはもともと昔からあった制度なんですが、サラリーマンは入れなかったんです。
しかし2017年からは誰でも入れるようになったんです。

全然知らなかった(笑)

ちなみに、NISAとidecoは2つ併用できるんですが、NISAよりも優れた点があります。それはidecoに積み立てた金額は所得控除になるという点ます。

ああ、じゃあ給料が高くてたくさん税金を払っている人はおすすめですね。

そうですね、給料とかで所得税がいくらか引かれて持ってかれている人は、年末調整で保険で引いたりするんですが、ideccoも同じように引くことができます。ちなみに、idecoについても運用益は非課税となっています

idecoとNISA両方やった方がいいってことですか?

そうですね。
余裕があればどっちもやってもいいと思いますが、idecoは職業によってかけられる金額が違ってくるんです。

そうなんですか。
どれくらいの違いがあるんでしょうか?

はい。公務員とサラリーマンと個人事業主ではかけられる金額が全然違くて、具体的には
・公務員だと月額1.2万円
・サラリーマンは月額2.3万円
・個人事業主は月額6.8万円
と限度額が変わってきます。

個人事業主が多く払えるようになっているんですね。
NISAとidecoの比較
NISAのメリット・デメリット
メリット
- 投資先を選べる
- 期間が5年と短い(積立は20年)
- 年間120万(積立は40万・ジュニアは80万)
デメリット
- 課税講座との損益通算ができない
※NISA口座は1人1口座しか作れないので、NISA口座または積み立てニーサのどちらかになります。
idecoのメリット・・デメリット
メリット
- 公務員・個人事業主だけではなく、誰でも入れるようになった。
- 掛け金が所得控除になる
- 運用益は全額非課税
デメリット
- 60歳まで使えない。下ろせない

月3万~5万を毎月積み立てていきたい場合は何からすればいいのか?

定額を毎月、例えば月3万円ぐらいから資産運用を始めたい場合はどちらがオススメでしょうか?
サラリーマンは基本的に定期収入あるから老後までそんな困らない前提でいうと所得控除があるidecoの方がいいと思います。idecoはサラリーマン向けであるのかなという感じはしますね。

逆に経営者・個人事業主であれば収入が不安定になる場合もあるので、普通のニーサを使って年間120万まで非課税枠使って投資するのがいいと思います。
今お金があっても5年後どうなるかわからないじゃないですか。
- 定期収入ある人はideco
- 収入が変動する人はNISA
がオススメ。ただし、idecoは60歳まで同じ額を払わないといけないということをしっかり覚えておく必要がある
100万円以上の資産運用を検討している人は何をすればいいのか?

貯金の一部をっていう感じで100万200万をポンと出せる人はどうしたらいいと思います?

その100万〜200万が総資産のどれくらいの割合かによっても変わってきますよね。
余裕資金として拠出できるのであれば自分の好きな株を買うでも配当狙いで買うのもいいと思いますが、この金額が自分の総資産の20%、30%くらいを占めていて全部で400万〜500万くらいしかないっていうのであれば投資信託の方がいいですね。

なるほど。

もし、ある程度のリスク許容できるなら株が1番いいと思います。
値動きがあるので、価格が変動しやすい分、運用が成功すれば上がり幅も大きいので。
大きく儲けたいなら値動きの大きな株がおすすめ。
ただし、価格変動が大きいということは、逆に損する可能性も高いというのを理解しよう
お金を安全に増やすためには?

安全に堅実に増やしていきたいっていう人が多いんですかね?

どんなものに投資したいか、どれくらいのリスクを取れるのかを考えた上で投資信託がいいと思います。
投資信託とはその名の通り、投資を信託するので、「こういう感じの投資をしたいんだけど」って伝えれば具体的にどこに投資してくれるかはプロが選んでくれるわけです。ですので、投資信託なら大きく損することはないと思います。まあわからないんですけどね、投資なので(笑)

実際に斎藤さんはどういった資産運用されてるんですか?

NISAの方は投資信託を毎月3万円積み立てながら、残り100万円近くの非課税があるので「いいな」と思った配当のある株を買ってます。
ぶっちゃけウェルスナビは微妙なの?

NISAを作るのが良いというのはわかったんですが、、、
正直、、、僕がやってるウェルスナビはどう思いますか?

ウェルスナビも良いと思いますよ
実際に運用してるのはプロなので、投資信託とほぼ一緒ですが、ウェルスナビの方がさらにバランスよく分散しているイメージがありますね。
投資信託の場合は、株式、不動産とジャンルが別れて投資信託をしていますので、例えば株式市場全体が下がってしまった場合。いくら投資信託で上手い人が運用しても失敗しますよね。

投資信託っていうのはいろんなものに分散しないんですか?

どういう関係のものに投資をするかによっていろんな商品あります。投資信託の中にも色々ミックスした『バランス型』というものもがありますが、ウェルスナビはさらに幅が広いのでリスク回避という面でかなり優れているように感じました。

実際に僕のウェルスナビポートフォリオ
実際にウェルスナビの運用内容を確認すると、リスク許容度マックスだからか株が多めだが、様々な国の株に加え、債権・金・不動産などでお金を運用している。

本当の初心者にはウェルスナビもおすすめだけど、
しっかり考えるのであればNISA・idecoの方が良いって感じですかね?

そうですね。
実際に僕はNISAを使ってますし、おすすめできます。ただ、しっかり理解した上で自分が納得できる方法が1番いいと思いますよ。
まずは簡単なもの、今回話が出てきたウェルスナビを始めるのも全然ありだと思います。
NISAばかりの話になってしまいましたが、決してウェルスナビが悪いというわけではないですからね。

なるほど。
僕自身はウェルスナビにおいてあるものはそのまま、今後はNISAもやっていこうと思います。

はい。繰り返しになってしまうんですが、投資はどうなるかはわかりません。しっかりリスクを分散させて運用しましょう。
まとめ
実際にお金のプロであるファイナンシャルプランナーの斎藤さんにお伺いしようやくNISAという制度が理解でき、「マネーリテラシーが少しあるだけで、お金の運用に大きな差が出る」ということを実感しました。
一方で、これらの制度は0から始める初心者には少しとっつきづらい・めんどくさいのかなという印象も、、、
資産運用というのは、実際にやってみると色々なことがわかってくるものなので。
よくわからないな〜という方もまずは簡単にできる資産運用の第一歩をウェルスナビで初めてみてはいかがでしょうか?
NISA・idecoを始めたい方はすでにお持ちの銀行に相談しにいくのが一番簡単です。
色々な金融機関が口座開設のためにキャンペーンなど行なっていますが、それ以外の差はあまりないと考えてください。