同じ事柄について書いている文章でも、
「それは違うだろ!」
と思わず反論したくなる文章と、
「そうだよね。ふむふむ。」
と頷きながら読んでしまう文章があります。
両者の違いは一体どこにあるのでしょうか?
読みやすく、「頭にスッと入ってくる文章」にはいくつかポイントがありますが、その中でも今回は「読者の反論を先回りして潰しておく」というテクニックについて解説していきます。
反論に先回りする
以下の2つの文章を読んでみて、どちらの方が抵抗なく読み進められたでしょうか。
恐らく、後者の方が抵抗なく読み進めれたはずです。
2つの文章の違いは、後半の「ただ、〜」から始まる部分にあります。
前者は「糖質制限のメリットしか述べていない」「断定している」のに対して、後者は「糖質制限のデメリットにも触れている」「選択肢のひとつとして提示している」のが大きな違いです。
人は文章を読んでいる間、無意識のうちにこれまでの自分の知識や経験とその文章の内容を照らし合わせています。そのため、その知識や経験と書いていある内容が違っていた場合、「ん?」となり、読むのが止まってしまうのです。
今回の場合でいうと、「糖質制限のデメリット」はすでに多くの人が知っていると考えられる知識のため、メリットしか触れていないと、「ん?デメリットもあるだろ。」と読者は思わずツッコミたく(反論したく)なるはずです。
読みやすい文章とは、こうした読者からの反論をあらかじめ予測し、
「その反論に対しては、私も承知しています。その上でこうした主張をしています。」
といった風に展開しているのです。
そのため、読者は「あぁ、この人はそうした意見・反論があるのを分かってこんな風に言ってるんだな」となり、比較的スムーズに読み進めることができる、というわけです。
やり過ぎるとクドくなるので注意
読みやすい文章を書く上で大切な「読者からの反論に先回りする」というテクニックですが、やり過ぎると逆にクドくなってしまいます。
例えば、
・・・。
どうでしたか?
読んでいる途中で「もう分かったから!」と言いたくなってしまわないでしょうか。「カレーについて話したいのは分かったから!」、と。
このように、「読者の反論を潰そうとするあまり間延びした説明になる」と文章はクドくなってしまいます。その点については十分に気をつけておきましょう。
まとめ
読みやすい文章を書くには、「読者の反論をあらかじめ想定し、先に潰しておく」のが有効です。ただ、やり過ぎるとクドくなってしまうので注意してください。
自分で文章を書きつつ、他の人が書いた読みやすい文章も参考にしながら、「適度な先回りのバランス」を掴んでいってみましょう。