その日、、、
僕は寒空の中、震えながら30分以上警察を待っていました。
なぜ、、、
なぜこんなことに、、、
2時間前まで銭湯にいたのに、、、
ことの始まりは12時間前にさかのぼります。
※記事の中で出てくる話は神に誓って全てノンフィクションです。
暇すぎる
その日の僕は
「暇だなぁ〜、(仕事はあるのに)ひまだなぁ〜」という支離滅裂な思考に陥っていました。(※仕事のできない人間特有の病気です)
そんな時たまたまFANZA(旧DMM)で『いいなり温泉旅行』を見て、ふと
「そうだ、温泉行こう」と思ってしまったんです。
たぶんあのAVみて温泉に行きたくなったの僕ぐらいじゃないかな。
とはいえ翌日のクライアントの打ち合わせのことを完全に忘れられたわけでもないので、
関東圏内のどこかの温泉に日帰りで行こうかと
子飼いの後輩オハラに「宿泊・交通費俺出すから」という声をかけ、2人で向かいました。
いわば【「いいなり温泉旅行」オハラ編】です
目的地は高尾山の温泉に決定。
オハラくんの住んでいる所沢から高尾山までは、
1時間ほどとドライブするにはちょうどいい時間のはずでした。
高速では、「早くお金持ちになりたい」「あのブロガーが嫌いだ」「家は良いぞ」みたいな会話をしていた気がするのですが、ひっさびさに僕の乗るオハラはこの車に少し違和感があるようで、
オハラ:
「なんか車が加速の度ゆれますね」
タロウ:
「道路がわるいんやろな〜」
とか話しながら、高速にのってからはすぐに高尾山に到着
1時間でつくはずが、道がバカ込みしており、
結局2時間半もドライブをしてしまいました。
この段階ですでに5時近く。
持ち前の良さを全く活かさないスタイル
びっくりすることに5時の高尾山ってなんもないんですよね。
16時にはリフトも飲食店も終わってしまう。
しかし、駅前で1件だけやっていた喫茶店を発見しました。
入店するとお客は僕たちだけでしたが、店内はなかなか小洒落たお店でした。
18時に閉店してしまうそうですが、17時半に入店してしまった僕たちを優しく迎えてくれ、お母さんもすごくいい人そうな感じ。
オススメを聞くと、
お母さん:
このね、ホットケーキがおすすめですよ。
特別な粉を使っててね
タロウ:
じゃあそれもらえますか!?
お母さん:
この特別な粉は膨らませるまで25分かかってね、
タロウ:
え、、、?(じゃあ食べれない、、、)
お母さん:
いや、今ならすぐ食べれますよ。
オハラ:
いやその設定なんだったんですか!
田舎の喫茶店は大変なようです。
(後から聞いたら前の客で使った発酵?済みの残りがあったらしくすぐ出すことができたらしい)
特別な粉でできたホットケーキを食べたオハラくんに感想をお求めると
オハラ:
ふつうです。普通に美味しいです!
皆さんは「特別なホットケーキなのに、感想『普通』かよ!」と思うかもしれませんが、
オハラくんは、喫茶店でこだわりの紅茶を飲んで感想を求められた際に
「普通に濃いコーヒーって感じです!!」って言って周りを凍りつかせるような、味オンチを通り越した、味覚サイコパスなので仕方ありません。
その後「旦那が蝶が好きで、蝶の写真をたくさん撮っているうちに、蝶屋さんになってしまった」とお母さんに聞いたので、お父さんに蝶の写真を見せてもらうことに、
お父さん:
このなかで1匹だけ蛾がいるんだけどわかるかな?
タロウ:
これだ!
お父さん:
いやそれは蝶
オハラ:
これですか?
お父さん:
それも蝶だね
タロウ:
これ?
お父さん:
ちがうね(笑)
タロウ:
こんなわからないものなんですか!?
お父さん:
基本的には蛾と蝶って違いがなくてね。
でも蛾だと呼ばれているのはこれだね。
おはら:
へ〜〜そうなんですか。
タロウ:
これは全部高尾山で採れたものなんですか?
お父さん:
いやこれは全部海外だね。
タロウ:
なるほど、
こちらの写真は高尾山で撮られたんですか?
お父さん:
いや、海外
タロウ:
身近な自然を全く活かさないスタイルの写真家じゃないですか。
お父さん:
海外の方が綺麗だからねぇ
タロウ:
蝶を取るために、高尾山にきてカフェをひらいたのでは、、、?
お父さん:
いや昔から住んでただけ
タロウ:
ありがとうございます。
色々コレクションを見させていただいたら、いくつかは高尾山の蝶もいました
ちょっとおいしい冷凍食品みたいな
行く場所もないので我々は風呂場へ
休日だというのもあるのでしょうが、駐車場は満車で入れるまでに数十分待つほどの盛況具合でした。
しかし入店すると割と普通の銭湯。
普通というか、チェーン店のようで味に関しては完全にファミレスのそれでした。
風呂も、まあ、、、
悪くないけど、、、
ぐらいの感じ。
閉店は23時ですが、それまでおたがいにパソコンで仕事をしつつ。
せっかくなので「最後にもう一回温まってくるわ!」と風呂に入ってから帰ることに
まあ、遠出して風呂入って飯食ってなんだかんだ楽しかったな〜と思いながらオハラを家に送り僕も帰路についたとき
この物語が始まる
保険ってほんとうに大切だったんだね
高速に乗った僕はすぐに
「なにかおかしい」
と感じました。
すぐになにがおかしいか気がつきました。
行きの時に感じた車がガタガタと震える感じが明らかに行きより大きかったんですね。
それでもまだなんとも思っていなかったのですが、
車のメーターに見たことがないランプが点灯。
しかし、点灯した瞬間にそのランプは消えました。
「何かおかしなことが起こっているのでは?」と思いましたが、とはいえ今止まっても仕方がない。とりえず家に帰ろうとそのまま車を運転し続けました、しかし、車の揺れはどんどん大きくなり、
とうとう車が70キロ以上のスピードが出なくなりました。
「明らかにおかしい」
そう思った瞬間
再びランプが点灯し、
そして今回は消えませんでした。
どんどん揺れが大きくなり、なんだか焦げ臭いような匂いがしてきました。(今思うと匂いは気のせいだったかもしれないですが、僕はそう感じた)
エンジンが爆発するんではないか?という不吉な未来が脳裏をよぎり、汗が止まらず、観念して車を道路の脇に止めることに
車に点灯するランプをスマホで調べたところ、それはエンジンの異常を示す警告ランプでした。
とりあえずもう自走して帰ることは不可能なので、自分が入っている自動車保険に電話をかける僕。
タロウ:
すみません。車が、エンジントラブルで、、、高速で車を止めているんですが
保険の人:
わかりました。ではレッカーを呼びますので、その間に警察に連絡してもらえますか?レッカーの到着がわかり次第また連絡します。
保険って、よく「意味ない!」とかいう人いますけどあの時ほど、人生で保険の必要性を感じたことはありませんでしたね。
タロウ:
警察の方には110番ですか?
保険の人:
高速でしたら近くに非常電話ありませんか?
まさか人生であの電話を使うとは
走り抜ける警察
非常電話の扉をくぐると、ちいさなベランダのような空間に
非常電話ボックスが設置されていました。
そして電話をかけるとすぐに警察が「どうされました」と
タロウ:
こうこういった理由で車を停めています。どうすればいいですか?
警察:
車は、車が来ない車線に止めていますか?
タロウ:
いえ、実はもうやばいと思ってすぐ止めてしまったので、合流近くのところに停めていて、車が来ない車線というのがなかったんです。
警察:
わかりました。場所はどこですか?
タロウ:
すみません、、、ナビ通りに来ていて全く道を覚えていなくて、、、
あの、ここの非常電話には川口の〇〇番と書いています。
警察:
なるほど。。。
では20分ほどで向かいますので、そのまま車の外でお待ちください。
タロウ:
外で!?
警察:
はい。車は危ないので
3月終わりとはいえ、気温は6度である。
なぜ、、、
なぜこんなことに、、、
2時間前まで銭湯にいたのに、、、
今思うと、
行きの時点で「なんか車が加速の度ゆれますね」というオハラくんのセリフも
帰る前の「最後にもう一回お風呂はいって温まってこよ!」も前フリだったなぁと思いつつもずっと震えながら待つ僕。
~20分後~
警察がようやく来た!
そして反対方向へ走り抜けていきました。
そして更に待つこと10分
警察が来てくれました。
ようやく車に乗ることを許されましたが、
レッカーが来たのはそこからさらに20分が経った頃でした。
レッカー隊員の気持ちもわかる
本来レッカーの車には乗ることができないのですが、高速で事故が起こってしまい、
他の交通手段がないので、キリのいいところ(駅とか自宅)まで送ってくれることに、
しかしここでまた問題が起こります。
問題1.【深夜3時近くでタクシーの配車が終わっていて、帰る手段がない】
これに関して保険会社に電話で確認したところ、帰る手段がない場合も想定されており
保険の方が言うには「宿泊費用1.5万円までが支給されます。その際にはかかった領収書を全て保存しておいて下さい」とのこと
すると問題2が浮上します。
問題2.【宿泊施設も近くにない】
川口の近くに宿泊施設がなく、泊まるといってもどこかの駅前まで向かう必要があります。
通常のケースではレッカー車に同乗することはできないのですが、今回は特別なケースとして同乗を許され、レッカーにて何処かの駅まで送ってもらうことを許可されました。
ここで問題3が浮上します。
問題3.【レッカー車を利用できるのは50キロまでで、それ以上は有料になる。(しかもそれがかなり高い)】
川口からレッカーの車庫までが18キロ
最寄りの駅まで6キロ
レッカーの車庫から柏の修理工場までが20キロ
18キロ+6キロ+6キロ+20キロ=50キロ
理論上は50キロ圏内なのですが、交通事情やどの道路を選ぶかはドライバーによるので、50キロジャストでは結局距離をオーバーしてしまう可能性が高いとのこと。
というか、レッカー隊員の人が駅まで送るのめっちゃ嫌そうでした。
気持ちはわかる。
あまりにも不幸すぎて、知らない人が心配してスタバのギフトカード送ってくれました。
ありがとう優しい人
1P
すごい交渉しまくって、なんとか駅まで2キロのところまで送ってもらい、そこからは徒歩。
八潮駅まで2キロを30分ほどかけ帰ることに
帰る途中でじゃらんを開くと、じゃらんがメンテナンス中でした。
僕、旅行好きで、旅行に行かない時もじゃらん見たりするので今まで200回ぐらいはサイトやアプリを開いたことありますが、じゃらんがメンテナンス中なの人生で初めてでしたね。
その時点で3時ぐらいになっており、「ホテル取れねぇじゃん、、、」と膝から崩れ落ちそうになりましたが、よくよく考えればホテルに電話すれば予約できるので大丈夫でした。
あと、あまりにも寒すぎて途中で寄ったローソンのくじで1円当たったんですけど、この当たりいるかね?
1P=1円
ギンギンに冷えてるから大丈夫
そんなこんなでようやくホテルにたどり着いたのが4時前
案内されたのは309号室。
なんの奇跡か僕の誕生日でした。
え!?マジ!これなんの奇跡!?
って盛り上がったんですが、「部屋番号が誕生日です!」って伝えたら、「はぁ、、、」ってめちゃ寒い対応されたんですが、体はとっくにギンギンに冷えていたので大丈夫でした。
冷え切った体をシャワーで温めながら、「温泉とは一体、、、」とか思ってましたね。
なんだったら、「本当に今日温泉に入ったのかな?幻だったのかな?」って思ってましたからね。
寝れたのは4時半ごろ
「たしかに〜〜〜」
(プルルルル・・・!!!)
ホテルの内戦で叩き起こされました。
時刻は10時10分
チェックアウトの時間を過ぎていたのです。
慌ててチェックアウトして、都内で打ち合わせに向かった時に気がつきました。
「領収書忘れた」と
(保険の経費おりない)
しかし、おかげさまで(?)その日の打ち合わせには間に合いました。
この日の打ち合わせは以前ツイッターでバズったホテルのPRのお仕事に関することだったんですけど、
そのホテルに泊まったきっかけも
2ヶ月前から計画していた沖縄旅行に台風が直撃することになり、
飛行機代もホテル代もドブに捨てて、
自暴自棄気味に車を走らせてたまたま泊まったのが、このホテルでオープン2日目だった
と言うのがきっかけ。不幸体質すぎる、なにこれ。
ってことを全部話したところお客さんに言われました。
「でも暇は潰れましたもんね」って
言っちゃったよね。
「たしかに〜」っつって
ご支援いただければなんか面白い話しします↓
「ポルカはこちら」
車の修理代101,200円に当てさせていただきます。
お金ない人は無理しないでください。