「柏ラーメン四皇」
関東随一のラーメン激戦区・柏において、圧倒的な実力で他店を引き離し、熱烈なファンの支持を獲得し続ける四店舗。
これまで、このタロログでは四皇のうち3店舗を紹介してきた。
そして今回、四皇最後の一角である「AKEBI(アケビ)」へと足を運び、遂に四皇をコンプリートした、というわけだ。
その他大勢の店舗はもちろん、四皇の他3店舗と比べてもまったく違う路線を突き進み、ひときわ異彩を放つAKEBI。
細部まで行き届いた店主のこだわりを、堪能してみるとしよう。
<店舗情報>
- 店舗名:「AKEBI(アケビ)」
- 営業時間:11:30〜14:30(昼の部)、18:00〜22:00(夜の部)
- 定休日:火曜、水曜の昼の部
- TEL:04-7165-7191
- 住所:千葉県柏市泉町6-53
- 公式ツイッター:@akebimen
来店〜食券購入
JR常磐線・柏駅東口から徒歩8分。
他の繁盛店に比べると、決してよいとは言えない立地でありながら、熱烈なファンの根強い支持を獲得するAKEBI。
外観は非常にシンプルで、立て看板がなければラーメン店とはわからないほどだ。
「余計なものはいらない」
店主からのメッセージを(勝手に)受け取り、いざ入店。
メニュー構成も、券売機の空欄が目立つほどにシンプル。
AKEBIは昼と夜の二部営業だが、夜は左下の「当日限定ラーメン」のみで営業している。
この限定ラーメンについては、記事末尾で詳しく後述するのでお楽しみに。
今回は、
- 特製中華そば
- 味玉濃厚鶏そば
- 肉ごはん
の3つをチョイス(with太郎)。
店内はカウンター8席のみで、無駄な装飾など一切ない。
(同行した太郎の丸さが目立つ)
お冷はセルフ式。
無駄なものを省きつつも、こうしたハンガーや荷物入れを配置してある気遣いに感謝。
「お客様がラーメンだけに集中できるように」
またも店主のメッセージを(勝手に)受け取った。
卓上調味料を一切置かない潔さに感服。
着丼〜完食
そうこうしていると、特製中華そばが着丼。
「初めまして。どうぞよろしくお願いいたします」
ラーメンがそう語りかけてくる。
これまで食べた(対話した)ラーメンの「よろしく!」「オイラはうまいよ〜!」みたいなザックリした感じではない。
滲み出る育ちの良さ。気品溢れる佇まい。
このラーメンは、敬語を使って俺に対してリスペクトをしてくれている。
どうやら、初めて敬語を使ってラーメンと対話ができそうだ。
「こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします。それでは、早速失礼いたします」
心の中で一礼をし、スープを一口すする。
豊穣的悦楽
豚骨、醤油、煮干し、昆布、豊穣な動物&魚介系スープが胃袋だけでなく心まで満たしてくれる。
俺の貧弱な語彙力で表現するなら、
「間違いないやつ」
としか言いようがない。
水筒に入れて毎日持ち運びたいぐらいうまい。そして飽きがこない。
美しき味玉。
割ると黄身が溶け出す絶妙な茹で加減だったが、食べるのに夢中で写真を撮り忘れてしまった。
脂身の少ないモモ(?)のレアチャーシュー。
下手なローストビーフを食べるぐらいなら、AKEBIのレアチャーシューを食っとけ。
こちらは脂身がしっかりのったバラチャーシュー。
ほどよく溶ける。
麺は細ストレート麺。
「これしかないやろ」
と思わずツブやいてしまうそうなぐらい、スープとの相性は抜群。
お次は味玉濃厚鶏そば。
この鶏チャーシューが毛穴全開になるぐらいうまかった。
見た目はサラダチキンだが、うまみがその208倍はある。
この鶏チャーシューだけで別売りして欲しい。求む、商品化。
鶏白湯スープは見た目よりもかなり濃厚。
塩分濃度は高くないが、コクがエゲツない。
「ただただしょっぱいだけのスープ」とは一線を画す、「旨いスープ」を味わうことができる。
麺は平打ちの中太麺。
鶏白湯のコクに負けないもっちらとした食感で、ややトロミのあるスープとよく絡む。
このラーメンはかなりコクが強いため、そのまま食べ続けるとややクドくなりがち。だが、サイドに添えられたレタスが絶妙な箸休めになっており、最後までグイグイすすれる。
肉厚なチャーシューがゴロゴロ入った肉ごはんも、うまい。
普通のラーメン屋であれば、「ごはんものはあくまでオマケ」的なスタンスの店も多く、米の炊き上がりが残念な場合も珍しくない。
その点、AKEBIのご飯はちょうどよい水加減で、手抜き感じなかった。
「神は細部に宿ってますんで」
店主のメッセージを、ご飯からも(勝手に)受け取る。
そんなこんなで、美味しく完食。
AKEBIの真骨頂は夜の部の「限定ラーメン」
ここまでは、昼に行けばいつでも食べられる定番のラーメンだ。
ただ、AKEBIがAKEBIたる所以は、夜の部の「限定ラーメン」にある。
限定ラーメンは毎日まったく違うスープ、麺、具の組み合わせで提供しており、「一期一会」の独創的なラーメンに出逢うことができるのだ。
以下は、店主さんが公式ツイッターで公開しているこれまでの限定ラーメン。
本日夜の部から提供の冷やし鶏白湯そばです。
鶏ちゃーしゅー、紫たまねぎ、パプリカ、バジルオイルをトッピングしました。
是非ご賞味ください! pic.twitter.com/eVu4hrouP1— AKEBI (@akebimen) 2015年8月22日
本日夜の部のらーめんは新潟背脂煮干らーめんです。
トッピングに岩海苔を追加しました。
本日が最後の提供となりますので、ぜひご来店ください。
60杯ほどの提供となります。
なくなり次第、本日の営業は終了とさせていただきます。
よろしくお願いします。 pic.twitter.com/JUnDAo8FB3— AKEBI (@akebimen) 2016年12月28日
本日夜のらーめんは濃厚きのこ味噌らーめんです。
マッシュルームのペーストをスープに溶かしました。
濃厚熱々で寒い夜にぴったりの仕上がりとなっております。
60杯ほどの提供となります。
なくなり次第、本日の営業は終了とさせていただきます。
よろしくお願いします。 pic.twitter.com/NIAfbduMjr— AKEBI (@akebimen) 2017年1月25日
本日夜のらーめんは海老味噌カレーらーめんです。
海老の風味を感じるスパイス弱めの食べやすいカレーな仕上がりです。
60杯ほどの提供です。
なくなり次第、本日の営業は終了とさせていただきます。
よろしくお願いします。 pic.twitter.com/dY4H1hSZwq— AKEBI (@akebimen) 2017年2月1日
本日夜のらーめんはジビエらーめん鹿白湯です。
濃厚な鹿スープに花山椒を練りこんだ特注の細麺を合わせました。
平打ちの太麺と選択できます。
肉っぽさ、骨っぽさ、獣っぽさが全て出た面白い仕上がりです。
60杯ほどの提供です。
なくなり次第、本日の営業は終了とさせていただきます。 pic.twitter.com/kNFiJ6SwjH— AKEBI (@akebimen) 2017年4月5日
溢れるバイタリティーとその独創性にただただ頭が下がる。
まとめ
昼に行けば、敬語で話しかけてくれるような上品かつ旨味溢れるラーメン。
夜に行けば、その日その日でまったく違う一期一会のラーメン。
「常に楽しませてくれる」という視点で見れば、柏一のラーメン屋といっても過言ではなないだろう。
そんな独自路線を突き進むラーメン店「AKEBI」。
これからも、その動向から目が話せない。