「柏ラーメン四皇」

 

関東随一のラーメン激戦区・柏において、圧倒的な実力で他店を引き離し、熱烈なファンの支持を獲得し続ける四店舗。

これまで、このタロログでは四皇のうち3店舗を紹介してきた。

千葉・柏の家系ラーメン「王道家」の中毒性は法規制されるレベル

2017.01.09

千葉県・柏の「こってりらーめん誉」で芳醇な背脂に揉みしだかれた男の話

2017.02.04

千葉・柏の「麺屋こうじ」でニボニボ感MAXの濃厚つけ麺を喰らうの巻

2017.04.05

そして今回、四皇最後の一角である「AKEBI(アケビ)」へと足を運び、遂に四皇をコンプリートした、というわけだ。

その他大勢の店舗はもちろん、四皇の他3店舗と比べてもまったく違う路線を突き進み、ひときわ異彩を放つAKEBI。

細部まで行き届いた店主のこだわりを、堪能してみるとしよう。

 

<店舗情報>

    • 店舗名:「AKEBI(アケビ)」
    • 営業時間:11:30〜14:30(昼の部)、18:00〜22:00(夜の部)
    • 定休日:火曜、水曜の昼の部
    • TEL:04-7165-7191
    • 住所:千葉県柏市泉町6-53
    • 公式ツイッター:@akebimen

来店〜食券購入

JR常磐線・柏駅東口から徒歩8分。

他の繁盛店に比べると、決してよいとは言えない立地でありながら、熱烈なファンの根強い支持を獲得するAKEBI。

AKEBI外観

外観は非常にシンプルで、立て看板がなければラーメン店とはわからないほどだ。

「余計なものはいらない」

店主からのメッセージを(勝手に)受け取り、いざ入店。

メニュー構成も、券売機の空欄が目立つほどにシンプル。

AKEBIは昼と夜の二部営業だが、夜は左下の「当日限定ラーメン」のみで営業している。

この限定ラーメンについては、記事末尾で詳しく後述するのでお楽しみに。

今回は、

  • 特製中華そば
  • 味玉濃厚鶏そば
  • 肉ごはん

の3つをチョイス(with太郎)。

店内はカウンター8席のみで、無駄な装飾など一切ない。

(同行した太郎の丸さが目立つ)

お冷はセルフ式。

無駄なものを省きつつも、こうしたハンガーや荷物入れを配置してある気遣いに感謝。

「お客様がラーメンだけに集中できるように」

またも店主のメッセージを(勝手に)受け取った。

卓上調味料を一切置かない潔さに感服。

着丼〜完食

そうこうしていると、特製中華そばが着丼。

「初めまして。どうぞよろしくお願いいたします」

ラーメンがそう語りかけてくる。

これまで食べた(対話した)ラーメンの「よろしく!」「オイラはうまいよ〜!」みたいなザックリした感じではない。

滲み出る育ちの良さ。気品溢れる佇まい。

このラーメンは、敬語を使って俺に対してリスペクトをしてくれている。

どうやら、初めて敬語を使ってラーメンと対話ができそうだ。

「こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします。それでは、早速失礼いたします」

心の中で一礼をし、スープを一口すする。

豊穣的悦楽

豚骨、醤油、煮干し、昆布、豊穣な動物&魚介系スープが胃袋だけでなく心まで満たしてくれる。

俺の貧弱な語彙力で表現するなら、

「間違いないやつ」

としか言いようがない。

水筒に入れて毎日持ち運びたいぐらいうまい。そして飽きがこない。

美しき味玉。

割ると黄身が溶け出す絶妙な茹で加減だったが、食べるのに夢中で写真を撮り忘れてしまった。

脂身の少ないモモ(?)のレアチャーシュー。

下手なローストビーフを食べるぐらいなら、AKEBIのレアチャーシューを食っとけ。

こちらは脂身がしっかりのったバラチャーシュー。

ほどよく溶ける。

麺は細ストレート麺。

「これしかないやろ」

と思わずツブやいてしまうそうなぐらい、スープとの相性は抜群。

お次は味玉濃厚鶏そば。

この鶏チャーシューが毛穴全開になるぐらいうまかった。

見た目はサラダチキンだが、うまみがその208倍はある。

この鶏チャーシューだけで別売りして欲しい。求む、商品化。

鶏白湯スープは見た目よりもかなり濃厚。

塩分濃度は高くないが、コクがエゲツない。

「ただただしょっぱいだけのスープ」とは一線を画す、「旨いスープ」を味わうことができる。

麺は平打ちの中太麺。

鶏白湯のコクに負けないもっちらとした食感で、ややトロミのあるスープとよく絡む。

このラーメンはかなりコクが強いため、そのまま食べ続けるとややクドくなりがち。だが、サイドに添えられたレタスが絶妙な箸休めになっており、最後までグイグイすすれる。

肉厚なチャーシューがゴロゴロ入った肉ごはんも、うまい。

普通のラーメン屋であれば、「ごはんものはあくまでオマケ」的なスタンスの店も多く、米の炊き上がりが残念な場合も珍しくない。

その点、AKEBIのご飯はちょうどよい水加減で、手抜き感じなかった。

「神は細部に宿ってますんで」

店主のメッセージを、ご飯からも(勝手に)受け取る。

そんなこんなで、美味しく完食。

 AKEBIの真骨頂は夜の部の「限定ラーメン」

ここまでは、昼に行けばいつでも食べられる定番のラーメンだ。

ただ、AKEBIがAKEBIたる所以は、夜の部の「限定ラーメン」にある。

限定ラーメンは毎日まったく違うスープ、麺、具の組み合わせで提供しており、「一期一会」の独創的なラーメンに出逢うことができるのだ。

以下は、店主さんが公式ツイッターで公開しているこれまでの限定ラーメン。

溢れるバイタリティーとその独創性にただただ頭が下がる。

まとめ

昼に行けば、敬語で話しかけてくれるような上品かつ旨味溢れるラーメン。

夜に行けば、その日その日でまったく違う一期一会のラーメン。

「常に楽しませてくれる」という視点で見れば、柏一のラーメン屋といっても過言ではなないだろう。

そんな独自路線を突き進むラーメン店「AKEBI」。

これからも、その動向から目が話せない。