先日、こんなニュースがありました。
日経新聞、AIで決算記事を自動生成 「日経電子版」などに配信
タロログに入社してから、アホな記事から少し真面目な記事まで様々な文章を書いてきた僕ですが、このニュースを聞いて戦慄が走りましたね・・・。
人工知能(AI)が新聞記事を書けるようになったそうです。
ここ数年、
「10年、20年後ロボットに取って代わられる仕事〇〇選」
とか、
「AIに奪われない職業とは?」
のような記事をよく見かけます。
スーパーのレジ打ちやレストランのホールスタッフなどの単純作業はわかるのですが、多少でも脳みそを使うようなライターなんかは大丈夫だろうと思っていました。
そんな中飛び込んできたニュースです。僕もこの先食いっぱぐれるかもしれません。プー太郎になる前に、少しでも情報を集めようと色々調べてみました。
「決算サマリー」とは?
冒頭で紹介したニュースですが、日本経済新聞社が企業の決算情報を集めてデータをぶち込んでAIに記事を書かせるサービスを開始したという内容です。
開示された決算情報の収集から、記事の作成、さらに日経電子版や日経テレコンでの配信まで全てAIが自動で行うようで、間に人間の手は一切入らないとのことです。
これ、凄すぎないですか?
実際にAIによって書かれた記事というのがこちらです。
富士通ゼネラルの16年4~12月期、純利益75.7%減27億円
基本的に事実を羅列しているだけのようですが、
損益については、空調機では販売物量拡大と原価低減を進め増益となったが、情報通信システムの減収影響をカバーするに至らず、営業利益は減益、経常利益は減益となった。
この1文の「〜となったが、〜」の打ち消しの使い方とか、本当にAIが書いたのかと疑ってしまいますよね。1番最後の文章に至っては、体言止めまで駆使しいます。
2017年3月期は純利益が前期比54.4%減の80億円、売上高が前期比5.7%減の2650億円、経常利益が前期比15%減の220億円、営業利益が前期比5.5%減の260億円の見通し。
全体を通して読んでも、文章の破綻は見られません。
さらにこのシステム、まだベータ版なんだそうです。これ以上進化したら新聞記者の方なんか仕事無くなっちゃいそうですね。
日経新聞の決算サマリーの他にも、AIを使用した事例があったのでご紹介いたします。
天気予報の原稿をAIが作成
西日本新聞が、アメリカのオートメーテッド・インサイツ社が開発した「ワードスミス」というAIに実際に書かせてみたという記事です。
実際にAIが作成した記事というのがこちら
おはようございます。今日から新学期がスタートする学校が多いと思います。1月10日の九州北部(福岡県福岡地方)の天気予報は、晴れ時々くもりでしょう。降水確率は午前、午後ともに10%でしょう。傘は持たなくても大丈夫です。
日中の最高気温は11度、最低気温は6度となる見込みです。前日より最高気温は1度低く、最低気温は4度低いでしょう。平年と比べて最低気温は2度上回り、最高気温は平年並みでしょう。
風は北西の風後北の風、海上では後北西の風やや強くなるでしょう。日の出は午前7時23分。日の入りは午後5時29分です。
今日のお出かけには、コートを着ないと寒いでしょう。今夜の夜空は、よく見れば星が現れるかもしれません。
出典:2017年1月10日付西日本新聞朝刊より
文書の雛形など事前に人間の手で準備する必要があるみたいですが、準備ができたら後はデータを読み込ませただけだそうです。
データを読み込ませてから記事ができるまでわずか1秒と、普段3,000字くらいの記事を書くのにリサーチや構成も含めて3時間くらいかかる僕ではとても太刀打ちできません。
AP通信のマイナーリーグ野球の記事
2016年7月に、AP通信がマイナーリーグ野球の記事をAIを用いて書かせることを発表しました。こちらも西日本新聞と同様にワードスミスを使用しています。
AP expands Minor League Baseball coverage
僕は英語は読めないのでGoogleに翻訳してもらったところ、
とでました。どうやら、野球記者が足らなかった故に今まで取り扱えなかったマイナーリーグの記事を、AIによってカバーするという目的のようです。
そもそもAP通信は、2014年から企業の四半期業績に関する記事を自動生成するという、上の決算サマリーの先駆けのような取り組みを始めていたそうです。今回の野球記事も同様の技術を利用して書かれています。
もしかしたら今後他の分野でも、同様の技術で自動生成される記事が増えるかもしれませんね。
小説を執筆するAI
このニュースには、当時僕も驚かされましたね。AIによって書かれた小説が、賞レースの一次審査を通過したというニュースです。
そもそも「ショートショート」という短めの小説ではありますが、それでも凄いことだと思います。
(僕も小学生の頃、星新一や阿刀田高のショートショートに一時期はまってたな)
要は、AIに文章を書く能力で劣っている人間がいるってことですからね。一応原案は人間の手で作られたようですが、それを破綻なく文章にまとめ上げるくらいならAIでも容易くできるようです。
今後は、どんどん人間の関与を減らしてストーリ作りもAIが自分で作れるようになるかもしれません。
他にもこんなAI
今回は文章を作成するAIをご紹介しましたが、他にもこんなことまでできるようになったようです。
機械学習で線画を自動着色してくれるWebサービス“PaintsChainer”がスゴいと話題に
線画状態のイラストをアップロードすると、自動で認識して着色をしてくれます。
試しに、以前少年ジャンプの持ち込み体験の記事に使用した落書きを色付けしてみました。
このイラストに着色すると・・・↓
このようになりました。
設定等は何もしていません。ただ画像を読み込ませて、あとは色も自動で選択されて着色されています。
全自動なので惜しい部分もありますが、概ねいい感じですね。これは、個人的に便利だな〜と感じました。
まとめ
AIの恐ろしいところは、速さと正確さだと思います。人間のように誤字脱字が無く、データさえ揃えてしまえば一瞬で記事ができてしまうのです。
日経の決算サマリーは2017年2月1日だけで、60件以上の決算報告記事を書き上げていました。それも24時間稼働し続けているわけではなく、1本目が公開された朝11時ごろから夕方5時ごろまでの6時間だけで60件以上です。
1時間に10件以上ブロガーやライターから見ると驚異的な数字ではないでしょうか?
内容の方は、まだまだ複雑なことはできないですが、この先どんどん進歩して笑いを誘うようなユーモラスな文章も書けるようになるかもしれません。
そうなったらいよいよ、人間はどうやって食いつないでいけばいいんでしょうね・・・。