先日、200人のサラリーマンを対象に「サラリーマンの残業理由」を調べたところ以下のような結果になりました。
- 仕事量が多い 39%
- 帰りづらい 31%
- 残業代が欲しい 12%
- 分担ができない 9%
- お客さんの都合 6%
- 家に帰りたくない3%
サラリーマンが残業する7つの理由
以上の結果より、残業理由について1つ1つ解説していきたいと思います。
1.仕事量が多い
「仕事を任せられるメンバーがいない」「自分しかできない仕事だから・・・」なんて抱え込む人がいるみたいですが、1人で抱えこんでいては、いつまで経っても周りはできるようになりませんし、そもそも専門職でもない限り自分にしかできない仕事なんてありません。
残業続きでは効率は下がりますし質も下がるので、割り切って他の人に振るようにしましょう。
製造業 40代
ライン作業が仕事ですが1分に1台作る計算で生産してます。なので700台近く1日生産するとなると残業しなければ無理な台数です。1人でも帰ると生産が成り立たなくなってしまいます。
福祉関連30代
仕事量に波があって、残業しないと仕事が終わらないからです。小さい事業所なのでなかなか人は増えませんし。
2.長時間労働が評価される風潮がある(帰りづらい)
内閣府が「ワークライフバランスに関する意識調査」を実施したところ、残業時間が多いほど上司の評価につながるという驚くべき声が聞かれました。
欧米の企業に比べ、結果や能力よりも時間で評価される風潮が未だに日本企業には根付いており「残業する人は仕事が遅いだけ」なんて評価されてしまう欧米とは全く逆の労働環境ですね。
金融業 20代
会社全体が残業が当たり前の空気で、定時に帰るには、理由を言わなくてはなりません。
営業職 20代
定時にすぐ帰る奴は目をつけられ、無視や過剰ノルマを課すなどの嫌がらせをされる為。
金融業 30代
いつリストラされるか分かりませんし、なるべく好印象を与えるためというのがあります。幸い残業代は少ないですが出ているのでマシですが。
IT関連30代
「残業」は自分がちゃんと仕事をしているという意思表示でもあり、それが日本人の特有の性質でもあると思います。社畜と呼ばれるのも無理はありません。
石油製品販売30代
上司が帰るまで帰れないといった暗黙のルールがあるから残業してます。
業務時間内でこなせないほどの仕事量ではないので、最後の方は仕事しているフリです。
製造業30代
定時に退勤すると上司の目が厳しく指摘されるから。皆さんが退勤する十九時までは残業しなくてはならない空気です。
3.残業代が欲しい
残業代が欲しいあまり、日中に終わるべき仕事を終わらせず、定時になってから仕事に取り組み始める人がいます。
世間では残業代が支払われない企業が批判されますが、このような人が存在する現実を見ると、残業代を支払わない企業の気持ちも少なからずわかります。
なにより、仕事ができる人が損をしてしまってる訳ですから・・・
システムエンジニア30代
自分も含めてですが、やはり生活残業が多いです。
会社側も残業を見越しての年収設定になっていますし・・・
会社員 営業50代
基本給が安いため残業せざを得ないという側面もあるかと思います。
測量設計20代
工期内に業務を完了させるためにはやむをえない時もあるが、残業代が自分の小遣いや貯金に回せるからです。
4.仕事の分担ができない
「会社」「組織」という1つのチームである以上、仕事はルーチンワーク化させて誰が変わってもある程度できる状態が理想とされてますが、日本人特有の「良い人に思われたい」「嫌われたくない」「後輩の評価を下げたくない」など、周りの目を気にするあまり人に仕事を振れないということが起こりがちです。
団体職員50代
夏前に職場の後輩が退職したのですが、なかなか人員補充をしてもらえず、その人の分の業務まで私が担当するようになり、結果的に残業時間が多くなりました。
5.お客さんの都合に振り回される
これは多くの営業マンに共通することです。
しかし「お客さんの都合に合わせるのは、営業マンとして当たり前」なんてスタイルでいるとお客さんの評価を下げ兼ねません。
空き時間が滅多にないくらいの態度でいないと、先方に伺ったときの「お忙しいなかありがとうございます」という感謝度は下がりますし、時間に都合がつく=暇=売れていない、なんて意識をもたれたら、お金の話しになったときにいやらしく聞こえてしまいます。
お客さんの都合で動いてる営業マンほど、アポイントのキャンセルが多い傾向があると言われるのも、そのためです。
衣類・繊維 営業職40代
出社時間は決まっているのですが、外回りの営業かつお客さんの都合で動いてるので、定時に会社に戻ってくることが出来ません。
ただ仕事というより車で移動している時間のほうが長かったり休憩していてもバレないので苦にはなりません。
サービス業20代
電話やトラブルの対応に追われ、定時を過ぎてからようやく自身の仕事に手を付けられます。
6.上司の指示が変わる
大きい企業になればなるほど、自分の上司にも上司が何人もいるので、自分の上司がGOサインを出したこと業務も、上司の上司が評価してくれない場合はやり直しになります。
この場合防ぎようがないように思えますが、やったことが水の泡にならぬよう途中経過を細かく伝えるようにしましょう。
SE30代
上司からの指示で、突然の仕様変更なんて日常茶飯事です。
定時を超えてから、ゼロベースで設計し直します。
7.家に帰りたくない
家族とうまくいってないなどの都合で、なかなか帰ろうとしないような人がいますね。
家庭の事情を持ち込む最低のケースです。
このような人が帰らないことにより、後輩が帰りづらくなるなんてことが起き「どうせ今日も残業だ」と日中のパフォーマンスを圧倒的に低下させてしまうので、質も効率も下げ会社にとって本来必要のない人です。
ただ「会社に長くいること」が美徳とされている日本では、評価の対象になってしまうので不思議ですよね。
外資系保険営業30代
サラリーマンの平均くらいは稼いでますが、給与は歩合制なので、家にいると「寝てないで稼いでこいよ」なんて目で(自分の勘違いかもしれませんが・・・)見られるので、居心地が悪いです。
欧米の人が指摘する日本人に残業が多い理由
日本人に残業が多い理由はサラリーマンの専門性がかけていることだと言われています。
専門性といっても、人より圧倒的に突き抜けた能力をさしている訳ではありません。
大学卒業後に社会へ出る人が多くいますが、学生の採用状況をみてみるとどうでしょう?
大学の名ばかりに目がいき、全くもって選考分野を重視しない傾向がありますよね。
また、経理から営業への異動などが日常茶飯事で行われるように、あえて専門分野を作らせず、どんな分野にも柔軟に対応できる人材を育てようとします。
そうすることによって、使い勝手がいい人は育ちますが、色々なことをやらせることによって、どうしても専門性は失われていきます。
そうやって専門性が低いチームができることにより、仕事内容事態が分散される傾向にあるので、はっきりとした「終わり」という線引きができません。
そうなると個人単位のゴールが曖昧になってしまい、周りがやっているから帰れないなんて意識が生まれ、皆ダラダラと残業してしまう訳です。
顧客満足度100%を目指す姿勢が残業の原因
欧米の専門家のなかには、日本企業は顧客満足100%を目指しているから仕事が終わらないのだと指摘する方がいます。
多くの欧米企業は、ハナからお客様満足度100%を目指していないようです。
どんなに商品やサービスが優れていても必ずクレーマーは現れますし、そのことを前提としているので9割もいけば良しという態勢を敷いています。
こういった態勢をとることにより、1割のクレーマーに割かれる時間も減りますし、無駄に長い時間会社にいなくても良くなる訳です。
まとめ
いかがだったでしょうか?
筆者的には”気まづいから帰れない” ”残業代を稼ぎたいから”という人が多くてびっくりしました。
仕事がないのに残業してる訳ですから!!!!
これらを改善するには、
- ある程度の生活水準を保てる給与の支給
- 時間の長短が評価の判断基準の現状を打開
- 時間外労働をしないような労務管理
といった個人より、企業側がクリアしなくてはいけない点も多々ありますが、「会社のせい」にしてはなにも始まりません。
まずは個人単位で時間に対する意識をかえてみてはいかがでしょうか?